日本維新の会は衆院選を受けた代表選を17日に告示する。議席を減らした衆院選の総括や失速する党勢の反転を巡り論戦が交わされる。金村龍那衆院議員、空本誠喜衆院議員、松沢成文参院議員、吉村洋文共同代表(大阪府知事)の4人が出馬を表明している。東京都国立市議の中川貴大氏も出馬に意欲を示す。

維新は国政選挙後などに代表選をするかどうかを投票で決める。今回は代表選を実施すると決定した。いまの馬場伸幸代表は衆院選の結果を受け不出馬を表明している。12月1日に投開票する。

代表に立候補するには国会議員や地方議員、首長ら「特別党員」50人から推薦を集める必要がある。議員も一般党員も同じ価値の一人一票の扱いになる。最多得票を得た候補が新代表に就任する。

馬場氏の前任の代表は松井一郎氏(当時は大阪市長)だった。今回、仮に吉村氏が当選すると、国政政党の代表に再び国会議員でない人物が就くことになる。

首長や地方議員が代表になった場合、国会議員団の代表を共同代表として指名できる。代表が国会議員でない場合、維新の首相指名の投票先は通例、国会議員団の代表になる。

馬場氏が代表に就く前は参院議員だった片山虎之助氏が共同代表で国会議員団代表だった。維新の議員が首相指名選挙で片山氏に投じたこともあった。

共同代表は意思決定に関与できるが、意思決定機関である常任役員会を主宰する権限はあくまで代表にあるため、その役割は限定される。

大阪の地域政党として始まった維新は15年の再結党後、大阪の首長がトップを務めており、国会議員として代表に就いたのは馬場氏が初めてだった。国会議員でない代表が国政政党の指揮を執ることに党内で異論もある。

吉村氏は自身が代表に選出された場合の執行部について「リーダーは若手を育てるのも役割の一つ。若いメンバーでやれるところまでやってみたい」と述べた。幹事長など代表を支える幹部の人事が注目される。

維新は衆院選で議席を公示前の43から38に減らした。先の通常国会での政治資金規正法を巡る混乱への対応などが後手に回り党勢は失速した。来年夏の参院選の勝利へ、代表交代を党勢の反転のきっかけにしたい考えだ。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。