南米ペルーの首都リマで開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が16日(日本時間17日)、首脳宣言を採択して閉幕した。関税の大幅な引き上げを掲げるトランプ次期米大統領の来年1月の就任を控え、各国で保護主義の対応への警戒感が広がるなか、「自由で開かれた貿易・投資の推進」で一致した。
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APECは米日中ロなど21の国・地域が参加し、国内総生産(GDP)の合計は世界の約6割を占める。首脳宣言では「ルールに基づく多角的貿易体制の支持」も確認した。女性の経済的地位の向上についても盛り込まれた。
一方、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルの攻撃が続くパレスチナ自治区ガザをめぐっては意見がまとまらず「一部の国はロシアとウクライナ、ガザの状況について意見を表明した」とする議長声明にとどまった。外務省幹部は「APECで地域情勢や政治問題を扱うことは難しく、コンセンサスを形成するのは困難」と話す。APECは来年は韓国で開催される。日本は今回の会合で2031年のAPEC議長国への立候補を表明した。(リマ=松山紫乃)
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