集まった支持者にあいさつする斎藤元彦氏(17日、神戸市中央区)

斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う兵庫県知事選が17日投開票され、無所属で出馬した斎藤氏が、いずれも無所属で元尼崎市長の稲村和美氏(52)や前参院議員の清水貴之氏(50)らを破り再選を決めた。

斎藤氏は9月にパワハラ疑惑などを内部告発された問題で県議会から全会一致で不信任決議を受け、失職して出直し選に臨んだ。同県知事選として過去最多の7人が立候補した。

斎藤氏は告発文書問題で県政の混乱を招いたと謝罪しつつ、告発者を特定して懲戒処分とした判断は妥当だったと主張。若者向け施策や行財政改革といった実績をアピールし、SNSを積極的に活用して若者や無党派層の支持を広げた。

稲村氏は混乱収束を訴え、一部の自民党県議と、立憲民主党系の議員らでつくる会派「ひょうご県民連合」の支援を受けたが及ばなかった。

不信任決議を受け出直し選で再選した知事は、2002年の長野県知事選の田中康夫氏以来2人目。

告発文書問題をめぐっては、県議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)と、弁護士6人で構成する第三者委員会の両方で調査が続いている。斎藤氏が県職員や議会との信頼関係をどのように再構築するかが注目される。

さいとう・もとひこ=2002年(平14年)東大経卒、総務省入省。大阪府財政課長などを経て、21年兵庫県知事。兵庫県出身、47歳。

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