政府の新たな経済対策をめぐって、自民党の小野寺政務調査会長と公明党の岡本政務調査会長、それに国民民主党の浜口政務調査会長は、先週15日に続いて政策協議を行いました。
この中で、浜口氏は、前回の協議で自民・公明両党から示した新たな経済対策の案について、18日開かれた党の会合で内容を議論したことを伝えました。
そして、「103万円の壁」の見直しが明示されておらず、不十分だという意見が出されたことを踏まえ、所得税の控除額などを引き上げることがわかるような文言を盛り込むよう要望しました。
また、ガソリン減税の実施も明記するよう求めました。
これに対し、自民・公明両党は、持ち帰って検討する考えを伝え、19日改めて協議することになりました。
自民 小野寺政調会長「一致点を見いだしていきたい」
自民党の小野寺政務調査会長は記者団に対し「前回、国民民主党からもらった要望について、私どもで検討した結果をお伝えをした。あす、また、協議を行い、きょうもらったさまざまな意見について、私どもの考え方を伝え、一致点を見いだしていきたい」と述べました。
公明 岡本政調会長「1つずつの細かい文言に合意を」
公明党の岡本政務調査会長は記者団に対し「細かい作業に入ってきたので、いろいろな項目を詰めている。経済をよりよくし、名目の給料が上がっていくような経済状況をつくるための総合経済対策なので、その原点に立ち返り、1つずつの細かい文言について合意できるようにしたい」と述べました。
国民 浜口政調会長「書き込みないと先の協議に進めない」
国民民主党の浜口政務調査会長は記者団に対し「肝になる『103万円の壁』の引き上げやガソリン減税について与党側の案には具体的な中身がなかったので、『この2つについてはしっかりとした書き込みがないとこれから先の協議に進めない』と伝えた。与党側にはしっかりと受け止めてもらったと思っている。あすも3党で協議していきたい」と述べました。
林官房長官「さまざまな要素総合的に検討」
林官房長官は午後の記者会見で「いわゆる『103万円の壁』に関する税制上の対応は、インフレなどの経済環境の変化にあわせ、手取り増や労働供給の制約の解消に向けた制度改革として提案されたものだが、国・地方で減収が見込まれ、高所得者ほど減税の影響が大きくなるという指摘もあり、さまざまな要素を総合的に検討する必要がある」と述べました。
その上で「政党間の協力にあたっての個別の政策の取り扱いは各政党間で議論されるべきで、政府としては協議の状況を見守りつつ、必要に応じて適切に支えていきたい」と述べました。
立民 山井衆院議員「“年収の壁” 建設的に議論を」
立憲民主党は厚生労働部門会議を開き、いわゆる「年収の壁」のうち、厚生年金の加入要件に関する「106万円の壁」の撤廃をめぐる検討状況について厚生労働省の担当者から説明を受けました。
会議の冒頭、座長を務める山井和則衆議院議員は「手取りを増やそうと言っているわけだが、『106万円の壁』をなくして厚生年金の適用拡大をすると、社会保険料を払うことで手取りは減る。議論を政争の具にするのではなく、どういう形で着地していくか、建設的に議論していかなければならない」と述べました。
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