政府は19日、8月26日に発生した中国軍機による領空侵犯について中国政府から「技術的な問題であり、領空に進入する意図はなかった」との説明を受けたと発表した。再発防止に努力するとも伝えてきたという。
説明があったのは中国軍の「Y9」情報収集機が長崎県男女群島沖の領空を2分ほど侵犯した事案だ。中国軍機による領空侵犯を防衛省が確認したのは初めてだった。日本外務省は「事実関係を認め、再発防止に努めると説明してきたことに留意し、今後の中国側の行動を注視する」と語った。
中国側は領空に入った理由に関して「気流の妨害にあい、乗組員が臨時的措置をとる過程で不可抗力により日本領空に短時間入った」と説明した。
防衛省によると、当時は飛行条件に大きな影響を与える天候ではなかった。緊急発進(スクランブル)した航空自衛隊の戦闘機からも気流の影響を受けたとの報告はなかった。「航空機は気流の影響を受けるが、想定した飛行コースから大きく逸脱するほどの影響があるとは考えがたい」との考えを示した。
日本政府はこれまで中国政府に複数回、領空侵犯の説明を求めてきた。石破茂首相が10月にラオスで中国の李強(リー・チャン)首相と会談した際には、中国軍の日本周辺での軍事活動に深刻な懸念を表明し、領空侵犯への説明を求めた。
ペルーで11月15日に開いた習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談でも、中国軍の活動などを「極めて憂慮」すると伝えていた。
中国は領空侵犯以外にも軍事活動を活発にしている。8月に海軍の測量艦が日本の領海に侵入したほか、9月には空母「遼寧」が日本の接続水域を初航行した。
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