【リオデジャネイロ=三木理恵子】石破茂首相は19日夕(日本時間20日午前)、訪問先のブラジルで内外記者会見した。米国のトランプ次期政権とインド太平洋地域の安定に向けて緊密に意思疎通したいと述べた。「日米が協力することが日本と米国の国益にもなり、地域の平和にも貢献すると説明したい」と語った。
トランプ米次期大統領は1期目(2017〜21年)に、日米の安全保障体制の偏りを指摘して日本の防衛力強化を求めた経緯がある。首相は記者会見で日米同盟を巡り「日本だけの利益、米国だけの利益ではない」と話した。
5条で米国の対日防衛義務、6条で日本の米軍への基地提供義務を定めた日米安保条約を「世界の中でもかなりユニークだ」とも指摘した。その上で「一方的な見方ではなく、どう相乗的に効果をもたらすのか理解する努力が必要になる」と説いた。
トランプ政権の政策を分析し、協力できる関係構築のために努力したいと言明した。
首相はペルーでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)とブラジルでの20カ国・地域(G20)の首脳会議に出席した。
ペルーではバイデン米大統領、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とそれぞれ初めて会談した。今回の南米訪問に合わせて米国でトランプ氏との面会を希望していたが実現しなかった。
19日、政府専用機で帰国の途につく。21日午前に羽田空港に到着する。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。