自民党税制調査会は21日、党本部で「インナー」と呼ばれる幹部の非公式会合を開いた。国民民主党が求める「年収103万円の壁」の引き上げの財源などについて意見を交わした。宮沢洋一税調会長は「地方、特に政令市の反発が強い中で財源を考えていかなければいけないという意見があった」と話した。
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自民、公明両党は20日、経済対策の内容をめぐって国民民主と合意した。103万円の壁の引き上げなど国民民主が要求する税制改正に関する文言を明記した。会合では同日開かれた自民、公明、国民民主の3党の税調会長会談の状況などが報告された。
103万円の壁を国民民主が求める178万円へ引き上げると、地方交付税の減少分と合わせると地方で5兆円超、国は2兆円台半ばの減収になるとみられる。全国知事会などが影響を懸念している。
引き上げ幅の基準となる経済指標について、宮沢氏は「何が妥当なのか、国民民主の意見も聞きながら考えていきたい」と話した。国民民主は引き上げ額の根拠として最低賃金の上昇を挙げている。
ガソリン減税は経済対策の中で上乗せしている旧暫定税率の廃止を含め「自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る」と記した。宮沢氏は幹部の間でも燃料課税を自動車関係諸税の見直しの中で議論する方向で一致していると述べた。
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