日中両政府は、岩屋毅外相が早期に中国を訪問し、北京で王毅(ワン・イー)共産党政治局員兼外相と会談する調整に入った。複数の日本政府関係者が23日、明らかにした。岩屋氏はハイレベルの往来の再開に道筋をつけたい考えだ。
岩屋氏は王氏と10月に電話で協議した際に、日中外相の相互訪問への意欲を伝えていた。外相の訪中が実現すれば、23年4月に当時の林芳正外相が訪れて以来になる。28日召集の臨時国会の日程など不確定な要素は残るものの、年内の訪問が有力だ。
石破茂首相と習近平(シー・ジンピン)国家主席が15日にペルーで会談した際には、日中両国が共通の利益を追求する「戦略的互恵関係」の推進を確認した。首脳をはじめとするハイレベルの往来を進めることでも一致した。
東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出をめぐり対立してきた両国の関係は改善に向かいつつある。両政府は9月、中国が禁輸措置を続けている日本産水産物について輸入の段階的な再開に向けて調整することで合意した。
11月19日には日本の外務、防衛両省が8月に発生した中国軍機による領空侵犯をめぐり中国政府から再発防止に努める旨の説明を受けた明らかにした。続けて中国政府は22日、日本人が中国に入国する際の短期ビザ(査証)の免除措置の再開を発表した。
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