富山県が1日に発表した4月1日現在の人口は99万9476人で、75年ぶりに100万人を下回った。

 男性は48万6552人、女性は51万2924人、世帯数は41万689世帯。10年前の2014年4月より7万1781人減ったが、世帯数は1万8334世帯増えた。

 主な自治体別では、富山市が40万4054人(14年比3・4%減)、高岡市は16万440人(同6・7%減)、魚津市が3万8222人(同12・2%減)。10年前比で、県内15市町村のうち14市町が減少。唯一、舟橋村だけが増えて3202人(同7・7%増)だった。

 1949年に県人口が100万人を超え、それ以降はほぼ増え続け、98年にピークの112万6千人となった。その後は減少を続けた。国の人口のピークが08年だったのに対し、県人口は全国より10年早くピークが訪れていた。

 この日、新田八朗知事は会見で、「予見されていたことで過度に悲観的にならず、前向きな取り組みを起こすきっかけにすることが重要」と述べた。今後の対策については、「自然減と、社会減の15歳から34歳の減少の抑制に尽きる。人口未来構想本部で大胆な発想でいろいろ考える」と述べるにとどまった。

 県は、国立社会保障・人口問題研究所の2050年の推計が、県の予想より9・7万人少ない76・2万人だったことから、今年4月、この課題に全庁で取り組むため、新田知事を本部長とする人口未来構想本部を設置。11月に新たな人口ビジョンの骨子案を示す方針。

 100万人割れについて、19歳の長女の孫ができたばかりという富山市の女性(37)は、「いま小学2年の三女は希望の保育所に入れなかった。若い人が子どもを産み育てたいと思う政策がないと」と話した。(朝倉義統)

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