政府は26日、首相官邸で防衛力強化に必要な自衛官の処遇改善などを議論する閣僚会議を開いた。任期制自衛官として採用する「自衛官候補生」の制度を衣替えする案を示した。入隊直後の訓練中から階級を与え任務につけるようにする。初任給を底上げする狙いがある。
2025年度から募集を始め、26年度に採用する。新しい制度のもとで入隊直後から任務につけるようにし初任給も上げる。24年度の水準では19万8800円になる。
自衛官候補生は陸海空3自衛隊に入隊後、3カ月間の訓練を経て正式に自衛官として任用されるまでの身分を指す。自衛官として任務につくことはできず、初任給は24年度で15万7000円ほどと東京都の警察官や消防士の19万3400円に比べて少ない。
会議で自衛官の再就職先の拡充や資格取得の促進などについても話し合った。民間企業への働きかけを強化するほか、リスキリング(学び直し)の機会を設ける。
自衛隊内で取得した資格を民間でも使えるよう筆記試験の免除など手続きの簡素化を促す。自動車や航空機の整備士、大型船舶の運航に必要な「海技士」といった資格が念頭にある。
石破茂首相は会議で「各省一致して取り組むことが日本の独立と平和を維持するために重要だ」と述べた。年末に編成する25年度予算案に関連経費を計上するよう検討の加速を指示した。
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