自民党は新たな党内人事の仕組みに、国政選挙への貢献度を反映させる方向で検討を始めた。積極的に応援に入ればプラス評価とする。複数の関係者が2日明らかにした。政治資金パーティー裏金事件を受けて多くの派閥が解消を選んだため、従来の派閥丸抱え選挙の穴を埋める狙いで人事をぶら下げる。ただ、単純に評価するのは難しく、実効性に疑問も上がる。
派閥解消は、4月の衆院島根1区補欠選挙にも早速影響した。死去した細田博之前衆院議長は清和政策研究会(現安倍派)の元会長。だが、安倍派は活動を事実上停止しており、組織的な応援態勢は組めなかった。
選挙はこれまで派閥を中心に新人・若手の選挙区や激戦区に幹部や秘書を多数投入してきた。派閥の勢力を維持・拡大する思惑があったためだ。
島根1区補選は安倍派に代わり、中国ブロックの秘書団が入ったほか、選挙区内の企業や業界団体にパイプを持つ議員が個別に動いた。しかし組織力を生かせたとは言えず、党幹部は「メリットがなければ他人の選挙で頑張ることはできない」と敗因の一つに挙げる。
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