岸田文雄首相(自民党総裁)が改憲派の集会に寄せたビデオメッセージの要旨は次の通り。
現行憲法は施行から77年間、一度も改正されていない。時代にそぐわない部分、不足している部分は果断に見直しを行わなければならない。
ここ数年、衆参両院の憲法審査会の開催頻度は高まっている。特に緊急事態条項は、各党の考えを含めて論点整理が進むなど、与野党の枠を超えて活発に議論してきた。大変歓迎すべきものだ。
他方で憲法改正は、最終的には国民の判断が必要だ。国会の発議を見据えた議論をしていかなければ、いつまでも憲法改正は実現できない。社会が大きく変化し、憲法改正はますます先送りのできない重要課題となる中、国民に選択肢を示すことは政治の責任だ。
いたずらに議論を引き延ばし、選択肢の提示すら行わないということになれば、責任の放棄と言われてもやむを得ない。
一連の政治資金問題で政治不信を招いたことは心からおわび申し上げなければならないが、政治の信頼回復のためにも、政治改革の議論と併せて憲法改正について党派を超えて連携しながら、真摯に議論を行う姿を国民に見せていきたい。
全国各地での対話集会などを通じ、具体的な条文案など分かりやすい資料も活用しながら、国民とともに議論し、憲法改正について理解をともに深めていきたい。
〔共同〕
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