【ブラジリア時事】岸田文雄首相は3日午前(日本時間同日夜)、ブラジルのルラ大統領と首都ブラジリアの大統領府で会談し、共同声明を発表した。領土保全や武力行使禁止など国連憲章の原則を順守する重要性を強調し、中東情勢に「深刻な懸念」、ウクライナ情勢に「重大な懸念」を表明。地球温暖化対策での連携を打ち出した。
パレスチナの国連正式加盟を支持する方針も示した。ウクライナ関連では核の使用や威嚇を認めず、「公正かつ永続的な平和」に向けた外交努力を訴えた。
一方で、日本が懸念を強める中国の覇権主義的な動きへの直接の言及はなかった。海洋秩序を定めた国連海洋法条約を支持する立場は明記したが、「中国」や「南シナ海」といった文言は入らなかった。中国はブラジルの最大の貿易相手国で、密接な関係を持つことが背景にあるとみられる。
握手する岸田文雄首相(左)とブラジルのルラ大統領=3日、ブラジリア(AFP時事)
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