都道府県の負担が重いとして「廃止論」が浮上している「国民スポーツ大会」(国スポ)について、岩手県の達増拓也知事は12日の会見で、「都道府県が今までのような形で開催するのは極めて困難だろう」との見解を述べた。
国スポをめぐっては、全国知事会長を務める宮城県の村井嘉浩知事が8日の会見で「廃止論」に言及した。
達増氏は「(国スポを開催する)都道府県は5年以上前から準備に人とお金を割く必要がある。(村井氏は)今まではできたけれど人手不足もあり、それに耐えられるのかという問題意識を表明されたのだと思う」と述べた。
その上で、「国家的行事という観点から、国が直接、予算と人を確保していくという風にした方がいいんじゃないか」と提案した。
国スポは2024年からの名称で、これまでは「国民体育大会」(国体)と呼ばれてきた。岩手県は16年に「希望郷いわて国体」を開催している。県スポーツ振興課によると、希望郷いわて国体には約100億円の費用がかかり、国などの助成は1~2割程度。残りは県が一般財源で負担した。08年に担当部署を設置。最大で80人規模の職員を配置した。市町村からは10人弱の応援職員が派遣されたが、国から人的支援はなかったという。
達増知事は「(16年の国体は)一時は返上しようかという議論も行われたが、沿岸市町村の様子も見てもらえるということで、復興に資することだからという考え方でやった」と当時を振り返った。(小泉浩樹)
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