機密情報の保全対象を経済安全保障分野に広げる新法案「重要経済安保情報保護・活用法案」が9日の参院内閣委員会で与野党の賛成多数で可決した。10日の参院本会議で可決、成立する見通しとなった。国が身辺調査で信頼性を認めた人のみが情報を取り扱う「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度の導入が柱で、漏えいには拘禁刑や罰金を科す。
欧米各国との情報共有の強化などが狙いだが、身辺調査によるプライバシーの侵害や、評価結果を巡って不利益な扱いを受ける可能性などの懸念もある。
内閣委での採決では自民、公明両党に加え立憲民主党なども賛成し、れいわ新選組や共産党が反対した。
9日午後の委員会審議には岸田文雄首相も出席した。身辺調査の評価結果に関し、企業や組織内で不利な人事上の扱いを受けるなど「目的外利用の禁止を担保することは大変重要だ」と強調。今後定める運用基準で具体的な禁止行為を明示する方針を示した。
新法案では、漏えいすると国の安保に支障を与える可能性があるものを「重要経済安保情報」に指定する。
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