北朝鮮による拉致被害者の家族会や国会議員らが10日、首相官邸を訪れ、岸田文雄首相に米政府高官らと面会した大型連休中の訪米について報告した。拉致問題解決に向けた日朝首脳会談の早期実現を求め、首相もあらためて意欲を示した。
家族会や拉致議連の議員らは4月29日から訪米し、クリテンブリンク国務次官補や国家安全保障会議のラップフーパー上級部長、元駐日米大使のハガティ上院議員らと面会。「親世代の家族が存命のうちに全拉致被害者が一括帰国できれば、日本政府による北朝鮮への人道支援や独自制裁解除に反対しない」とする新たな運動方針を説明した。
家族会の横田拓也代表は首相との面会で、「面会したすべての方から、運動方針に理解が得られたという感触がある。日朝の水面下交渉にも大きく寄与すると考えており、日朝首脳会談の実現に向けて、この機会を大きく活用してほしい」と求めた。首相は4月の日米首脳会談でもバイデン米大統領から日本の取り組みに理解と支持を得たと説明したうえで、「国際社会とも協力しながら、首脳会談実現に向けてハイレベルでの協議を続けていきたい」と応じた。(笹川翔平)
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