自民党は、サイバー攻撃に先手を打ち被害を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の法制化を検討するため、17日にも合同会議で本格的に議論を始める方針を固めた。政府は5月中に法的課題を整理する有識者会議を発足させる方向で、連動して議論。秋の臨時国会への法案提出を想定し、政府への提言取りまとめを目指す。6月に策定する経済財政運営の指針「骨太方針」にも反映を図る。党関係者が11日、明らかにした。
合同会議は、党経済安全保障推進本部、デジタル社会推進本部、安全保障調査会で構成。17日の会合では、国家安全保障局から米国など海外のサイバー対策の現状を聞き取る予定だ。
能動的サイバー防御は、相手側サーバーに侵入して無力化する対応を想定。攻撃情報を検知するための監視と、憲法21条に規定する「通信の秘密」の整合性が議論の中心になる。無力化に必要な通信システムへの侵入やウイルス作成についても、不正アクセス禁止法や刑法の不正指令電磁的記録作成罪への抵触、財産権の侵害にならないかどうかが論点となる。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。