米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、沖縄県の玉城デニー知事は16日、軟弱地盤がある埋め立て予定区域のサンゴ約8万4千群体の移植を許可する手続きを進めていることを明らかにした。今年4月に移植許可をめぐる訴訟で県の敗訴が確定していた。

 サンゴ移植は沖縄防衛局が2022年に県に申請。県は当時、地盤改良工事に伴う設計変更を承認しておらず、工事が進まない以上移植は「必要性がない」と不許可にした。だが、昨年12月に国が県に代わって設計変更を承認する「代執行」に踏み切り、今年1月に着工。このため県は、サンゴ保護のために移植する必要があると判断した。

 玉城氏はこの日、サンゴ移植を許可するよう勧告していた農林水産相に宛てて、「許可処分に向けた手続きを進めたい」と回答した。近く許可を出す見通しだ。

 辺野古移設をめぐっては、国と県の訴訟は14件あったが、13件が終結。県による設計変更の不承認処分を取り消した国土交通相の「裁決」について争う抗告訴訟が続いている。6月20日に福岡高裁那覇支部で控訴審の第1回口頭弁論がある。(小野太郎)

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