岸田文雄首相は20日の衆院予算委員会で、自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正について「今国会で確実に実現しなければならない」と強調した。裏金事件を巡る森喜朗元首相への再聴取は「考えていない」と否定した。自民の坂井学氏、立憲民主党の野田佳彦元首相への答弁。
規正法改正の自民案は(1)議員本人の責任を厳格化する「連座制」導入(2)政党から議員に支給される「50万円超」の政策活動費の使途公開(3)政治資金パーティー券購入者の公開基準の「10万円超」への引き下げ―が柱。首相は「実効性のある再発防止策を条文の形で示せた」と理解を求めた。
立民の落合貴之氏は、パーティー券の公開基準を、寄付と同じ「5万円超」とするよう迫った。首相は「寄付とパーティーは性格が違う。基準を同じ額にしなければならない必然性はない」と拒否した。
政策活動費に関しては「(自民)党の実態を見ると『50万円超』で(使途を)十分把握できる」と主張。議員から党への具体的な報告方法は「政党の内規で定めることになる」と説明した。
野田氏は、自民案が企業・団体献金の禁止に触れていないと批判。首相は「企業・団体献金は禁止するのではなく、透明度を上げるべきだ」と必要性を訴えた。
調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しを巡り、首相は「わが党としても積極的に議論に参加していく」と述べた。日本維新の会の藤田文武幹事長への答弁。
衆院予算委員会で答弁する岸田文雄首相=20日午後、国会内
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