自民、立憲民主両党などがそれぞれ提出した政治資金規正法改正案は22日、衆院政治改革特別委員会で各党による趣旨説明が行われ、審議入りした。岸田文雄首相(自民総裁)は特別委に先立つ参院予算委員会の集中審議で「今国会で法改正を必ず実現したい」と述べ、6月23日に会期末を迎える今国会中の成立を目指す考えを強調した。
規正法改正は自民派閥の裏金事件を踏まえたもので、終盤国会の最大の焦点となる。自民案は政治資金パーティーや政党が議員に支給する政策活動費の扱いを巡って公明党を含む他党の主張との隔たりが大きく、成立は見通せていない。自民は特別委と並行して公明や野党と修正協議を行い、協力を取り付けたい考えだ。
公明との協議が不調に終わった自民は改正案を単独で提出。立民は国民民主党、衆院会派「有志の会」と共同で提出し、2党1会派で折り合えなかった部分を単独で出した。日本維新の会も22日、独自案を提出した。
自民案と立民・国民案は議員の責任を厳格化する「連座制」導入をともに明記したが、仕組みが異なる。自民案はパー券購入者の公開基準を1回20万円超から10万円超に引き下げ、政策活動費の支出額を大まかな項目別に公表する規定を盛り込んだ。立・国案は政策活動費禁止を打ち出し、立民案はパーティー禁止などを盛った。維新は企業・団体によるパー券購入や献金の禁止を掲げ、政策活動費に代わる「特定支出」制度を新設して10年後に使途を公表する案を提唱した。
参院予算委員会で挙手する岸田文雄首相=22日午後、国会内
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