東京・霞が関の外務省

 外務省は、相手国の要請を待たずに事業を提案する「オファー型」の政府開発援助(ODA)を推進するため、今夏に「開発協力連携室(仮称)」を新設する方針を固めた。ODAを担当する国際協力局内に置く。民間企業や中央省庁との連携強化を狙うとともに、地方自治体のODA参加も促す。複数の関係者が24日、明らかにした。

 新組織の下で、海外での事業展開を目指す企業や団体に加え関係省庁との連携を密にする方針だ。関係者を集めた「官民ラウンドテーブル会議」を開催し、相手国のニーズや事業の可能性といった情報を共有する。

 民間資金の活用促進も図る。ODA予算は減少傾向にあり、2024年度は5650億円とピーク時からほぼ半減した。上川陽子外相は、民間資金の活用促進を議論する外務省の有識者会議で「ODAの在り方を抜本的に見直すべきだ」と主張していた。

 提案型ODAは、カンボジアの行政サービスのデジタル化に向けた無償資金協力が初案件で、昨年12月に岸田文雄首相とフン・マネット首相が会談した際に合意した。

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