綿半ホールディングス(HD)子会社の征矢野建材(長野県松本市)はバイオマス発電用の木材チップ確保のため、大型破砕機を導入した。処理能力の高い大型機の導入により発電所へのチップ供給量を従来より20%増やす。同時に伐採地に原料材の回収用コンテナを設置し、これまで林地に放置されていた枝や端材などの残材活用につなげる。
導入したのは独ドップシュタット社製の破砕機「AK640K」で費用は約2億円。処理速度は1時間に30トンで、征矢野が従来使用していた切削タイプの機械の15倍の能力があるという。同社が出資するソヤノウッドパワー(塩尻市)の発電所に隣接する木材加工場で稼働させる。
同社はまた、6月中旬以降に安曇野や上伊那など県内10カ所の伐採現場や木材集積場に枝葉や端材などの林地残材を入れるコンテナを設置する。各地の林業事業者の協力を得て残材を集め、コンテナが満杯になったら回収する仕組みを構築する。
征矢野建材は長野県などと進めるバイオマス発電事業「信州F・パワープロジェクト」で木材チップの供給を担っている。発電所が使用するチップは年14万トンだが、木材価格の高騰などで足元の供給量は10万トンにとどまっている。大型機導入や残材活用で12万トンに増やす計画だ。
枝などの残材は植林の障害になるため「林地から回収することで森林再整備を促す効果も期待できる」(綿半HD)という。
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