宗田さんは東京で生まれ、大学を卒業後、映画の脚本や雑誌の編集を経て、1979年に発表した「未知海域」が直木賞の候補となり、作家としてデビューしました。
1985年には子どもたちが力を合わせて大人たちと戦う小説「ぼくらの七日間戦争」がベストセラーとなり、宮沢りえさんの主演で映画化されたことでも話題となりました。
子どもの目線で社会のゆがみを見つめる作風が人気を集め、「ぼくらの七日間戦争」に始まる“ぼくら”シリーズはおよそ40年で50作余りが書かれ、累計で2000万部を超えるベストセラーとなりました。
5年前の2019年には「ぼくらの七日間戦争」がアニメーション映画にもなったほか、3月には“ぼくら”シリーズの新作が発表されたばかりで、宗田さんは90代になっても精力的に執筆活動を続けていました。
遺族によりますと、宗田さんは、4月4日、かぜで入院したあと体調が急変し、8日、名古屋市の病院で肺炎のため95歳で亡くなりました。
“ぼくら”シリーズ刊行のKADOKAWAがコメント
宗田理さんが亡くなったことを受けて、“ぼくら”シリーズを刊行してきたKADOKAWAは、「突然のことに、編集部一同深い悲しみに暮れています。1979年のデビューからずっと、90歳を過ぎてからもなお新作を精力的に執筆されました。45年間の作家生活のなかで常に子どもたちを応援する姿勢を変えず、またご自身の体験から、戦争への反対を表明してこられました。穏やかで明るいお人柄と、優しい笑顔が偲ばれます。宗田理さんの長きにわたる作家活動に最大の敬意と感謝を表しますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします」などとするコメントを発表しました。
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