愛知県の大村秀章知事は11日、国が計画する浮体式洋上風力発電の実証事業の海域に県が応募していた「田原市・豊橋市沖」が選ばれたと発表した。中部電力系のシーテックや日立造船などの企業コンソーシアムが実証事業を行う。今後は調査・設計に入り、29年度ごろに高さ250メートル超の巨大な風車が稼働するという。
実証事業は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が運営する総額2兆円規模の「グリーンイノベーション基金」を活用する。浮体式の洋上風力は海に浮かべた風車で発電する仕組みで、海底に固定された「着床式」より深い海でも発電設備を置ける。30年度までに国際競争力のある価格で商用化する技術の確立をめざす。
実証期間は24年7月から31年3月まで。発電事業者のシーテックや浮体メーカーの日立造船のほか、鹿島や商船三井など計5社でつくる企業コンソーシアムが実施する。風車は1基で、出力は15メガワット超を見込む。風車は海面からブレードの先までの高さが250メートル超、海面から上の設備の総重量が2000トン近い巨大な設備になるという。29年度ごろから1〜2年稼働させる想定だ。
愛知県は23年3月に「田原市・豊橋市沖」を応募し、10月に北海道や秋田県とともに候補海域に選ばれていた。大村知事は11日の記者会見で「田原市沖は風況が良く、電力需要地に近いなど全国有数の洋上風力発電のポテンシャルが高い地域だ」と説明。「今回、太平洋側で唯一行われる浮体式洋上風力実証となる」と強調した。
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