産業技術総合研究所の深沢太郎研究員らは、高性能な磁石の開発に役立つ材料のデータベースを開発した。候補となる材料の磁気の強さや耐熱性を保つ温度のデータを納めた。高性能磁石は電気自動車や風力発電のモーターに使う。温暖化ガスの排出削減に向けて需要が高まっており、データベースで開発を促す。
データベースの名称は磁性材料データプラットフォームで、高性能磁石の開発に役立つ材料のデータを7260件納めた。人工知能(AI)で新素材を探索する「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」に対応するためにデータを使いやすく整理した。
高性能磁石は温暖化ガスの排出削減に欠かせないが熱に弱く、高温で性能が下がる。性能を保つためにジスプロシウムなどのレアアース(希土類)を加えるが供給面の懸念があり、性能維持と資源リスクへの対応が必要だ。優れた材料を探すためにデータベースの構築が求められていた。
約40の企業や研究機関が参加してデータに基づく材料開発を目指す「データ駆動型材料設計技術利用推進コンソーシアム」を対象に公開した。今後は公開範囲を広げる予定で、他の候補材料のデータも加えたい考えだ。
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