宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14日、独立系ベンチャーキャピタル(VC)のフロンティア・イノベーションズが組成したファンドに出資したと発表した。JAXAがVCファンドに出資するのは初めてで、ファンドや投資先企業には技術的な助言もする。宇宙産業の振興に弾みをつける狙いだ。
ファンドの投資対象は「シード」「アーリー」と呼ばれる創業間もないスタートアップなど。宇宙関連に加え、宇宙分野への展開を見込む先端技術を手掛ける有望企業も探す。
運用期間は最大15年で、20〜30社程度への投資を計画する。三井住友銀行や三井不動産、VCのインキュベイトファンドなども出資した。組成額は非公表だが、JAXAからの出資約束金額は1億円としている。
2021年の「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」の改正を受け、JAXAはスタートアップやVCファンドに出資できるようになった。すでに人工衛星データを活用する天地人(東京・中央)など事業会社には出資している。
安全保障上の観点からも日本の宇宙関連企業を育成する重要性は高まっている。JAXAは企業や大学の技術開発を支援する「宇宙戦略基金」も設け、今後10年間で1兆円規模の支援を見込んでいる。
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