北海道の沿岸で近年、「野生のラッコ」の目撃例が増えている。

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 太平洋に面した霧多布(きりたっぷ)岬(北海道浜中町)は、ラッコがよく目撃される場所の一つだ。この春も赤ちゃんの誕生が確認され、親ラッコと一緒に海面に浮かぶ姿があった。

 地元で海洋生物の調査・保護に取り組むNPO法人「エトピリカ基金」の片岡義広理事長(76)によると、岬でみられるラッコは10頭余りという。岬の遊歩道からラッコの姿を眺めることができ、片岡さんは「ラッコは絶滅危惧種だが、幸運なことにここでは観光と共存ができる環境にある」と話す。

 ただ最近は「ラッコ詣で」による問題も浮上している。観光客が岬で飛ばすドローンだ。上空からドローンが近づくと、ラッコの群れは一斉に沖へ逃げ出してしまう。

 浜中町はラッコ保護のため霧多布岬でドローンを飛ばさないよう求める案内板を設置したが、ドローンで撮影をしようとする人が後を絶たない。一度、遊歩道から見える海の範囲内で姿を消したラッコが再び姿を現すまで半年かかったこともあった。(山本智之、古源盛一)

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