日本経済新聞社と米コロンビア大ジャーナリズム大学院、早稲田大ジャーナリズム大学院は15日、学生応援プロジェクト「これからのジャーナリズムを考えよう」を早大で開いた。デジタル・人工知能(AI)の利用が広がる時代の選挙報道について、専門家や記者らが話し合った。
田中愛治・早大総長は冒頭のあいさつで「2024年は世界的な選挙イヤーで、民主主義を支えるメディアの役割はますます重要になっている」と強調。「デジタル技術の飛躍的な進歩で、報道のあり方が様変わりしている」と語った。
続いてジェラニ・コブ・コロンビア大ジャーナリズム大学院長が「AIが進展することで、知的財産や著作権の保護はどうなるのかなど、ジャーナリズムとの関係について考えないといけない」と学生らに呼びかけた。
「生成AIとジャーナリズム」と題して基調講演したエミリー・ベル・コロンビア大教授は「ディープフェイク」と呼ばれる偽動画が海外の選挙戦で与えた影響などの事例を紹介。「常に変化するツールに頼らない枠組みを考える必要がある。規制も重要だ」と提案した。
ベル教授らが登壇したパネル討論では、デジタル・AI時代の選挙報道を議論した。参加した早大の中林美恵子教授は「AIが人類を滅ぼす可能性があることも視野に入れ、長期的な視点でジャーナリズムができることを真剣に考えるべきだ」と指摘した。
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