日本IBMが開設した新拠点を北九州市の武内和久市長が視察した(19日)

日本IBMは北九州市で人工知能(AI)を活用したビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスを始める。企業の間接業務を請け負うBPOの事務系人材とITスキルを持つ開発人材、合わせて300人が入る新オフィスを19日に報道陣に公開した。日本IBMが同市内に開設した拠点は3カ所めで、雇用規模は350人に拡大する。

BPO拠点にシステム開発要員が入るのは珍しいという。顧客企業の財務や受発注などの間接業務について、最終的に業務マニュアルを生成AIが読み込み、自律的に遂行することを目指す。AIの活用を前提にした業務改革などのコンサルティングも手掛け、効率化にとどまらず、正確さや生産性の向上にもつなげる。

日本IBMは、北九州市内では2022年にシステム開発拠点を開設して以降、徐々に規模を拡大してきた。同市の規制緩和を活用したオフィスビル「BIZIA KOKURA(ビジア小倉)」が近く完成し、そこにも4カ所めの拠点を置く予定だ。

日本IBMデジタルサービスの古長由里子執行役員は「北九州は住みやすく、人材確保がしやすい。仕事量の拡大に合わせて将来は雇用規模を500〜600人に増やす」と話す。地元の理工系人材のほか、北九州出身者のUターンやIターンなど、首都圏からの人材確保も進める。

北九州市は14年度からIT企業の誘致に力を入れている。同市によると、この10年間で188社が進出し、4600人の新規雇用が創出された。IT企業の集積で若者の雇用機会をつくり、1965年から59年間続く人口流出に歯止めをかける考えだ。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。