宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、30日に予定していた国の大型基幹ロケット「H3」3号機の打ち上げを7月1日に延期すると発表した。打ち上げ前日と当日の天候悪化が懸念されるため。1日に打ち上げられるかどうかは、6月29日以降の天候を踏まえて判断する。

新たに設定した打ち上げ時間帯は、7月1日の午後0時6分〜19分。打ち上げの予備期間は7月末まで設けている。ロケットには災害状況の把握に使う国の地球観測衛星「だいち4号」(開発費約320億円)を搭載し、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げる。

24年3月に公開された「H3」3号機の1段目部分(愛知県飛島村)

H3は基幹ロケット「H2A」の後継機として、JAXAと三菱重工業が開発した。1段エンジンを新規に開発し、民生部品の活用などでコストを削減し、打ち上げ費用は約50億円とH2Aの半分程度を見込む。

23年3月に打ち上げた初号機は、第2段エンジンの点火が確認できず失敗に終わった。搭載していた観測衛星「だいち3号」(開発費約280億円)も失った。24年2月の2号機の打ち上げは成功したが、試験的な運用で大型衛星は搭載しなかった。

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