ピクスタが米独企業と「データセット・プロバイダーズ・アライアンス(DPA)」を立ち上げた

画像ストックのピクスタは1日、米国とドイツの企業と共同で、生成AI(人工知能)の学習素材の権利保護をめざす団体「データセット・プロバイダーズ・アライアンス(DPA)」を立ち上げたと発表した。AI開発者による「無断学習」を防ぎ、画像や動画、音楽などのコンテンツ制作者や提供企業が適正な報酬を受け取れるよう働きかける。

音楽ライセンス代理店の米ライツファイ、AI学習用の画像取引プラットフォームを提供する米vAIsual(ブイアイジュアル)など、学習対象データを扱う日米独の計7社で立ち上げた。日本企業はピクスタのみ。

生成AIは大量の文章や画像データを学習して性能を高めてきた。学習素材は無料公開のデータが中心だが、「無断で学習された」として権利者側がAI企業を提訴する例が相次ぐ。日本を含む各国政府がAI学習の知的財産権をめぐるルール整備を進めている。

DPAは「コンテンツ制作者の権利を保護し、AI開発者に高品質な学習データを提供できるようにする」としている。権利者が適正な報酬を得られるモデルや、反倫理的な生成を防ぐための学習データの選別・加工手法などを広める。

ピクスタはカメラマンやクリエーターが投稿した画像や動画計9300万点を企業などに販売している。4月に生成AI開発企業に学習素材として画像などを販売する方針を表明した。同社を通じて収益の一部を撮影した権利者に還元するほか、希望すれば学習素材の対象から外せるとしている。

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