京都大学やハーバード大学などの研究チームは、健康診断などの心電図検査で異常があると、なかった人と比較して心血管疾患の発症リスクが1.2〜2倍高くなることを明らかにした。心電図の活用で心血管疾患を早期に予防できることを示す重要な知見となる。
心電図は心臓が収縮したり、拡張したりする際に発生する微弱な電流を捉えて記録することで、心臓の活動を把握する。研究チームは全国健康保険協会(協会けんぽ)からデータの提供を受け、2016年に検査を受けた約370万人の心電図と、心血管疾患の発症の関係を最大5年間にわたって追跡調査した。
心電図のデータはこれまで検査を受けた個人の診療に使われてきたが、今回のように疾患との関連を大規模に解析した例は少ないという。
解析の結果、心電図に軽い異常が1つある場合は、異常がない場合に比べ心血管疾患を発症するリスクが約1.2倍、2つある場合は約1.4倍、重い異常がある場合は約2倍高いことが分かった。軽い心電図異常がある人は、異常がない人に比べ5年以内に重い心電図異常が出る割合が高いことも分かった。
ハーバード大学の八木隆一郎リサーチフェローは「今後は人工知能(AI)を活用して解析をより高精度にしたい」と述べた。研究成果は米国医師会が発行する学術誌「JAMAインターナル・メディシン」に掲載された。
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