「王位戦」七番勝負の第1局は名古屋市で行われ、2日目の7日は、先手の藤井七冠が6日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」を立会人が開封して、対局が再開しました。

互いに譲らず、こう着した状況が続く中、午後3時44分、同じ局面が4回繰り返される「千日手」が成立し、「指し直し」となりました。

30分後に先手と後手を入れ替えて対局が再開すると、藤井七冠は相手玉に迫る攻めを見せますが、渡辺九段がかわし、一時、形勢を有利にします。

その後、互いに「1分将棋」となった最終盤、渡辺九段が勝ち筋と異なる手を指して藤井七冠の逆転を許し、午後9時13分、渡辺九段が136手までで投了しました。

藤井七冠は今月「棋聖戦」5連覇を果たし、初めての永世称号となる「永世棋聖」の資格を最年少で獲得していますが、今回の「王位戦」で防衛を決めれば5連覇となり、2つ目の永世称号「永世王位」の資格を獲得することになります。

「王位戦」七番勝負の次の第2局は、今月17日と18日に北海道函館市で行われます。

藤井七冠「内容としては反省するところが多かった」

対局のあと、勝利した藤井聡太七冠は、「早い段階で苦しくなってしまって、粘り強く指そうと思っていましたが、徐々に攻めが難しくなってしまったと思います。結果は幸いしましたが、内容としては反省するところが多かったので、まずはしっかり振り返って、集中して第2局に臨みたい」と話していました。

渡辺九段「気を取り直して次に」

敗れた渡辺明九段は、「いきなり最終盤になるような展開になったので、全然読めてはいませんでした。勝ちになったと思いましたが、詰みが分からなかったです。始まったばかりなので、気を取り直して次に向かいたいと思います」と話していました。

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