岩手県久慈市にある約9千万年前の白亜紀後期の地層から、現在の形態に近い「パラリゲーター科」のワニの化石が見つかったと、久慈琥珀博物館や早稲田大などのチームが11日、発表した。歯の傷を詳細に分析したところ、カメや恐竜を食べていた可能性があるという。
平山廉・早稲田大教授(古生物学)は「化石からワニの分類を詳しく特定できたのは珍しい。餌は体格などから推定されていたが、歯の傷での検討は世界初で画期的だ」と語った。
歯の化石は2017年に開かれた発掘体験イベントで、当時小学生だった甲府市の高校1年大矢一心さん(16)が発見した。この日の記者会見で大矢さんは「見つけた化石を持ち帰れず不機嫌だったが、大きな成果に関わることができたと知って光栄だ」と笑顔で話した。
チームは、約60点の歯や背骨などの化石を調査。全長約3メートルの中型のワニとみられる。装甲の形態から現在のワニに近いパラリゲーター科と判断した。福井県の白亜紀前期の地層からは原始的なワニの化石が見つかっており、この間に移行したようだ。
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