全日本空輸(ANA)と豊田自動織機は16日、特定の条件下で運転を完全に自動化する「レベル4」の車両の試験運行を羽田空港で始めたと発表した。課題を洗い出し、2025年内に同空港で実用化する。空港内の貨物輸送に活用して航空業界の人手不足に対応する。
16日に羽田空港で自動運転車両を公開した。貨物をけん引するトーイングトラクターが、東貨物地区と第2ターミナル間の約2キロを無人で走った。試験運行は既に1日から始まっており19日まで続ける。これまでに同区間を約120回走ったが他の車両などとの接触は起きておらず「危険を感じるようなこともなかった」(豊田自動織機)という。
車両は豊田自動織機の電動トーイングトラクターをベースに開発した。高性能センサー「LiDAR(ライダー)」を含むセンサー類を10個備え、自らの位置や周囲の障害物を把握する。遠隔監視用などのカメラも3つあり、離れていてもコントロール室から周囲の状況が監視できる。
ANAは25年内の実用化を目指すが、規模は明らかにしていない。羽田空港以外の空港にも展開する。
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