実証事業を担う企業連合が大村知事を表敬訪問した(16日、名古屋市)

愛知県田原市の沖合で実施が決まった国の浮体式洋上風力発電の実証事業を巡り、事業者に選ばれた企業連合が16日、大村秀章知事を表敬訪問した。幹事会社である中部電力系のシーテック(名古屋市)の仰木一郎社長は「浮体式を低コストで短期間に確立しないと(日本で)風力発電は増えない。世界と勝負するにはマストだ」と訴えた。

浮体式洋上風力は海に浮かべた風車で発電し、海底に固定する「着床式」より深い海域に設置できる。仰木社長は「陸上(風力)は風況は良いが場所が良くない所もある。(着床式は)欧州のように遠浅の海底地盤が日本は少ない」と課題を指摘。大村知事は「この事業が日本の浮体式の先駆けとなるよう取り組みたい」と話した。

実証事業は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募。県が応募した「田原市・豊橋市沖」の計画が6月、秋田県沖と並んで採択された。発電事業者のシーテックや浮体メーカーの日立造船のほか、鹿島や商船三井、風力発電設備保守の北拓(北海道旭川市)の計5社が企業連合を組む。期間は2024年7月から31年3月まで。

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