熊本県の木村敬知事と熊本市の大西一史市長は18日、熊本都市圏の渋滞解消に向けた意見交換会を初めて開催した。台湾積体電路製造(TSMC)をはじめ半導体関連産業の集積に伴い、周辺の渋滞は一段と悪化している。トップ会談で公共交通利用や交差点改良の促進などを確認し8月に再び議論し、年内に対策をとりまとめたい考えだ。
意見交換会で木村知事は、県として進める渋滞対策の現状を情報共有した上で「警察も含めた様々な機関と連携し、早い段階での施策につなげたい」との考えを示した。短期と中長期で取り組む対策を区別し、中長期的には高速道路やJR豊肥線の整備など国への要望を急ぐ。
また大西市長は県民・市民は渋滞について「怒りにも近い要望がある」とし「課題を整理し方向性を確認して、動き出したと実感してもらえる場にしたい」と応じた。市内にある175の渋滞箇所の分析を進め、交差点や信号機の改良などを検討し年内にも短期的な対策を打ち出したいとした。
国土交通省の調査によると、熊本市の渋滞は三大都市圏除く全国の政令指定都市でワースト1位。隣接する菊陽町でTSMCの第2工場建設も決まり、現在の通勤車両に加え工事のトラックなどが増えることが見込まれる。サプライヤー企業の進出も相次ぎ、交通量の一段の増大は不可避だ。
県と市は今回の会談を契機とし、待ったなしの状況にある渋滞の改善につなげたい考え。今後は周辺の他市町村の参加も視野に入れている。
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