千葉県茂原市の第70回茂原七夕まつり(27、28日)を前に、県立茂原高校(森裕嗣校長)の生徒が茂原商工会議所(秋葉吉秋会頭)と協力し、「七夕まつりゴミ減プロジェクト」に取り組んでいる。地域でのサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指し、会場で環境に優しい先割れスプーンの販売などを手がける。
プロジェクトは、同校が地域と連携して課題解決に取り組む「茂高街塾(もこうまちじゅく)」の一環。2023年度のまつりに参加した2年生がごみ問題に着目して発案し、有志約60人が参加。商議所からは会員企業15社が協力している。
スプーンはペットボトルのキャップを原料にしており、洗って繰り返し使える。七夕の織り姫と彦星(ひこぼし)のデザインで、2本1セット。色は何十種類もあり、会場で利用できるサービス券付き300円で販売する予定。収益金は青少年の地域貢献活動に役立てる。このほか、分別して捨てたくなるオシャレなゴミ箱を作って設置したり、ごみの回収ステーションの運営をしたりすることを計画している。
スプーンの企画・製造は、生徒が5月から市内のプラスチック加工会社「昌和プラスチック工業」の協力を得て進めてきた。デザインは、見栄えと強度、使いやすさなどを考え、3Dプリンターを使ってサンプルを作り直すなどしてきた。原料のキャップは、1万個を目標に各家庭や商業施設に呼びかけて集め、洗浄して色分けし、工場に持ち込んだ。キャップは粉砕した後、200度前後の温度で溶かし、金型で成形した。キャップの配合によって色の出し方も研究した。
生徒7人が12日、同社を訪れ、スプーンの形を整えたり、パッケージを考案したりした。同校の安達美月(みづき)さん(17)は「デザインが形になって色が付き、完成していくのがうれしかった。ごみ問題にも関心を持つようになった」と話した。
同社の内川毅社長(60)は「細かい所までよく考えていることに驚いた。高校生はポテンシャルが高い。技術的に難しい点もあったが、楽しみながら取り組めた。完成してよかった」と話した。【高橋秀郎】
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