数十年に一度だけ、天高く花茎が伸びて黄色い花を咲かせ、その後に株ごと枯れてしまう珍しい大型植物がある。兵庫県伊丹市でそんな珍植物が開花し、話題になっている。
植物の名前は「アオノリュウゼツラン」。園内で植栽している大阪公立大学付属植物園によると、原産地はメキシコの乾燥地帯で、縁にトゲが並んだ葉の形から「竜舌」の名がついた。
花が咲くのは一度だけで、芽吹いてから開花まで数十年かかり、「センチュリープラント(世紀の植物)」とも呼ばれる。開花期にはアスパラガスのような花茎が突然伸び始め、2カ月ほどで数メートルから約10メートルの高さまで成長し、黄色い花を咲かせる。開花後は枯死する。
伊丹市で開花したのは三菱電機の高周波光デバイス製作所。今年5月、花茎が伸び始めたことに従業員が気づき、7月までに7~8メートルまで成長した。その後、つぼみがふくらみ、22日に開花を確認したという。
敷地内には数株が植栽されており、10年前の2014年夏にも別の株が開花した。由来はわからないが、製作所ができた1959年以降に植えられたとみられる。広報担当者は「花が咲くのは50年に1度とも言われているので、運がいいです」と喜ぶ。
三菱電機では26日11時と16時、敷地内のアオノリュウゼツランを一般公開する。要予約(25日17時まで)。X(旧ツイッター)の「三菱電機高周波光デバイス製作所」から申し込む。(小池淳)
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