顕微鏡に目を落とすと、銀河の中を漂う星々が集まったような光景が広がっていた。三重大学(津市)の生物資源学部・生物海洋学研究室で、伊勢湾で採取した植物プランクトンを光学顕微鏡で見せてもらった。大小様々で、奇妙な形をした体がキラキラと輝く、神秘的な異世界だった。研究室では、海洋を漂う動・植物プランクトンの生態系での役割や、赤潮・貝毒の発生メカニズムなどを研究している。30年以上研究を続ける石川輝教授(57)は「小さな巨人、ミクロの芸術ですね。しかも海洋生態系を底辺から支えるすごい力を持っています。どれにもきれいな構造があり、形が精巧にできていることに感動します」と話す。この形に魅せられて蒔絵(まきえ)師など芸術家の道に進んだ卒業生もいるとか。(溝脇正)
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