マクダーモットCEOは業務システム領域に特化した独自の生成AIを活用する考えを示した

米クラウドサービス大手サービスナウのビル・マクダーモット最高経営責任者(CEO)は2日、「GDS2024世界デジタルサミット」(主催:日本経済新聞社)でビデオ講演した。独自の生成AI(人工知能)を自社の業務システム管理サービスに組み込むことで「高速、安全、安価の3つを実現する」と話した。

サービスナウは人事・総務や受注管理など企業内の業務システムを連携させて一体的に運用するクラウドサービスに強みがある。2023年には米半導体大手のエヌビディアと提携し、自社サービスに組み込む独自生成AIの開発に注力している。

マクダーモット氏は生成AIがビジネスにもたらすインパクトについて、07年のスマートフォン「iPhone」の登場以来であると強調した。生成AIが業務の中に組み込まれていくことで「企業内のワークフローは今後2年で再設計されることになる」との見通しを示した。

サービスナウは社内の従業員間でやり取りされるメッセージの要約など、法人需要に特化した生成AIを「ナウアシスト」の名称で提供している。顧客は同社の独自AIを採用することで「イノベーションのサイクルを速く回すことができる」と話した。

日本企業は社内のデータ環境整備が遅れており、生成AIの活用が十分に進んでいない。マクダーモット氏は企業内の情報システムの複雑さが負の影響を与えてきたと指摘しつつも、足元でのデジタルトランスフォーメーション(DX)の進捗については「順調に進んでいる」との見方を示した。「いますぐ投資して生成AIを取り入れるべきだ。バスに乗り遅れてはならない」と強調した。

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