ビデオメッセージで講演する河野太郎デジタル相(2日、東京都千代田区)

河野太郎デジタル相は2日、「GDS2024世界デジタルサミット」(日本経済新聞社主催)にビデオメッセージを寄せた。人工知能(AI)による社会への影響が議論されるなか、河野デジタル相は「AIは経済全体を飛躍的に便利にしてくれる重要なツール。現代社会が抱える課題解決に役立つ可能性も大いに秘めている」と強調した。

生成AIの活用を巡っては、偽情報の流布や著作権の侵害などの新たな課題も生じている。欧州連合(EU)では世界で初めてAIを包括規制する「AI法案」が成立するなど利用を制限する動きもある。

河野デジタル相は「いかに進化を続けるAIと付き合っていくか、使っていくかを考えなければならない」と主張した。デジタル庁のみならず、他の省庁でも生成AIの積極的な活用を働きかける考えを示した。

講演ではマイナンバーカードに健康保険証の機能を載せた「マイナ保険証」についても言及し、「紙の保険証ではこの先の新たな発展には結びつかない」と強調した。医療の質の向上やなりすまし防止など、患者と医療機関の双方での利点を訴えた。

12月には現行の保険証の新規発行を停止する。政府はマイナ保険証への移行を促す方針だが、依然として利用率は低い。河野デジタル相はマイナ保険証が「今後の電子処方箋や電子カルテの普及・拡大の核になる」との考えを示し、「重要性やメリットを多くの国民に知ってもらうことが重要」と話した。

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