食用の卵を生産するメスのニワトリはひよこの段階で性別を見分けることが難しいため、国内では主に訓練を受けた専門家が手作業でメスだけを選別して成長させています。
徳島大学の竹本龍也教授らのグループは、ゲノム編集の技術を応用してふ化する前の卵の段階でオスとメスを見分ける方法を開発しました。
竹本教授らはニワトリの性別を決める2種類の性染色体の一方に、目の色に関わる遺伝子が存在することに着目し、ゲノム編集の技術でこの遺伝子を取り除いたニワトリを作り出しました。
そしてこのニワトリとゲノム編集をしていないニワトリをかけあわせ、卵の中でオスは黒い目に、メスは透明な目になる系統を作り出しました。
このニワトリが産んだ卵に光を当てると、オスの場合は黒い目が殻を透けて見えるため、ふ化する前に性別が簡単に見分けられるということです。
竹本教授は「世界的には動物福祉の観点からオスのひよこの処分が大きな問題となっているが、ふ化する前に性別がわかれば処分する数を減らせる。今後、より高速で判別する装置を開発するなどして、実用化を進めたい」と話していました。
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