桂由美さんは、もともと日本では一般的ではなかったウエディングドレスを広め、女性のシルエットを美しく引き出すドレスで日本の結婚式のスタイルに大きな影響を与えたデザイナーでことし4月、94歳で亡くなりました。

「お葬式の代わりにショーをしてほしい」という生前の桂さん思いを受けて、都内のホテルで9日、追悼のファッションショーが行われ、関係者が出席しました。

はじめにテノール歌手の秋川雅史さんが代表曲「千の風になって」を歌う中、モデルの冨永愛さんが純白のウエディングドレスで登場しました。

新婦の負担にならない軽いドレスにしようと開発された素材が採用され、冨永さんは両腕を広げて軽やかにランウェイを歩いていました。

このほかにも、着物の「お引きずり」からヒントを得たという「ユミライン」と呼ばれる長いすそのドレスをはじめ、和装など桂さんが手がけた100着が披露されました。

フィナーレでは桂さんの姿が映像で浮かび上がり、会場からは長年の功績をたたえるように大きな拍手があがっていました。

桂さんの後進のデザイナーの森永幸徳さんは「桂はこのショーを客席の一番前で笑って見てくれたと思います。デザイナーはお客様がドレスを使ってくれて初めて成立するとよく言っていたので、常にお客様を第一に考え活動していきたい」と話していました。

約30年の親交 假屋崎さん「心の中にずっと生き続けてほしい」

9日のファッションショーに参加し桂由美さんとおよそ30年の親交があった華道家の假屋崎省吾さんは「ショーのたびにブーケなどのお花を担当させていただきました。朝の5時や6時に『アイデアが浮かんだけどどう?』と電話がかかってくることもよくあって、仕事には貪欲に手を抜かず厳しい一方、遊んでいるときは幼い女の子のようにかわいらしかったです。ショーを見た皆さんの心の中に桂先生がずっと生き続けてほしい」と話していました。

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