パスタソースを生産するタイの工場には、太陽光発電設備も設置している

日清製粉ウェルナは、2024年度中に自社拠点の二酸化炭素(CO2)排出量を13年度より実質半減できる見通しだと発表した。電気が化石燃料由来でないことを証明する「非化石証書」の購入に関する契約を結び、海外拠点すべての全電力を実質100%再生可能エネルギー化する。子会社「マ・マーマカロニ」(宇都宮市)の神戸工場(神戸市)もカーボンニュートラル化する予定。

日清製粉ウェルナは、タイの三井物産傘下のミットサイアム・インターナショナルと、海外4カ国6拠点において国際的な非化石証書(I-REC)の購入に関する契約を結んだ。使ったエネルギーと同量の非化石証書を購入することで、CO2排出量はゼロとみなされる。

年間約1万1千トンのCO2が減ったとみなされ、6拠点で使用する電力の実質100%再エネ化を24年度中に達成する見込み。既に20年に達成した米国の拠点を含め、海外生産拠点の全電力を実質再エネ化できる見通し。

マ・マーマカロニの神戸工場では7月から、工場で発生した麺やソースなどの食品廃棄物を外部のバイオマス発電施設に提供している。提供した分の電力を関西電力経由で非化石証書とともに購入する。

残りの使用電力分には三井物産子会社のe-dash(イーダッシュ、東京・港)から購入した非化石証書を組み合わせ、工場で使う電力の全量を実質再エネ由来でまかなえる枠組みの運用を始めた。

同工場では、19年にバイオマス燃料を使って蒸気を発生させるボイラーを増設してCO2排出量が少ない蒸気を熱源に使っている。国がCO2削減量を認証する「J-クレジット」の購入も計画しており、同工場全体のカーボンニュートラル化も24年度に達成する見込みだという。

海外6拠点で削減するCO2約1万1千トンは日清製粉ウェルナの13年度排出量の35%に相当し、神戸工場で削減できるCO2排出量は年間約5200トンと同16%に相当する。これにより、自社拠点でのCO2排出量を13年度比50%減を24年度中に達成する見通し。

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