伊藤叡王は、ことし6月にかけて行われた五番勝負で八大タイトルを独占していた藤井七冠から初タイトルとなる「叡王」を奪取しました。

23日は都内で「叡王」の就位式が開かれ、日本将棋連盟の羽生善治会長が「これから先、藤井さんと将棋界をけん引していく存在になると思います。末永くすばらしい勝負を見せてほしい」とあいさつしました。

続いて伊藤叡王の師匠の宮田利男八段が「5歳のときから『たっくん』と呼んでいましたが、タイトルを取ったので『匠先生』と呼ばせていただきます」と会場を笑わせると「第4局は完敗でしたが、最後の最後まで辛抱強さを見せ、次はいけるかなと思いました」と戦いぶりをたたえ、花束を贈りました。

そして最後に伊藤叡王がお礼のことばを述べ「第5局では最終盤、将棋ソフトも瞬間的に正しく評価できない局面が現れ、部分的に人間の判断が正しかったようなケースもありました。AIの評価というのも絶対的なものではないと確認させられるとともに、将棋の難しさも実感しました」と振り返るとともに「1分将棋の緊迫した場面で藤井さんと対局することができたのは貴重な財産になりました。今後もそういう将棋を指せるよう努力していきたい」と抱負を述べました。

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