環境省が防除を進めてきた外来種マングース(環境省提供)

 鹿児島県・奄美大島でのマングース根絶を環境省が3日宣言し、地元では取り組みに関わってきた関係者らが喜びに沸いた。「長年の苦労が報われた」。達成の背景には、貴重な生態系が破壊される危機を訴えてきた研究者や、駆除を続けてきた「マングースバスターズ」らの20年余りにわたる地道な努力があった。

 環境省によると、奄美にマングースが放獣されたのは1979年とみられる。89年からマングース問題に取り組んできた同省奄美群島国立公園管理事務所の阿部慎太郎さん(60)は「1万匹という個体群を根絶できたことはすごいと思う」と評価した。

 国の特別天然記念物アマミノクロウサギに詳しく、防除事業検討委員として関わってきた沖縄大学客員教授の山田文雄さん(71)は「希少種の絶滅や生態系の危機を救えたことは本当によかった。新たな外来種問題をつくらないための教訓としてほしい」と強調した。

 探索犬と共に捕獲に当たってきたバスターズの1人、山下亮さん(52)は「官民一体で取り組んだ長年の苦労が報われた」と安堵の表情を見せた。

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