群馬県南牧村で採集され、いずれも約350万年前に生息していた新属新種のカメムシと、新種のチョウと判明した化石が、同県富岡市上黒岩の県立自然史博物館で無料で展示されている。5月12日まで。展示終了後は倉庫に保管し、レプリカなどで展示に対応する可能性があり、今回は貴重な化石そのものを見られるチャンスという。【田所柳子】
化石は約40年前に採集され、長年保管されてきた。高解像度の顕微鏡で触覚などの詳しい部分を分析し、絶滅した新種だったことが判明。2023年12月、新種と突き止めた元慶応義塾幼稚舎教諭が博物館に寄贈した。
「ムカシアシアカカメムシ」は体長約2・5センチ、「カブトイワミスジチョウ」は3センチ程度。鮮新世の約350万年前、現在の群馬県と長野県の県境付近には火山の中にできたカルデラ湖があり、カメムシもチョウもゆっくり湖の底に沈み、化石になったという。
植物や貝などと違い、昆虫が化石として保存されることは多くない。特にチョウの化石が見つかるのは世界的にも珍しく、新種は国内初という。同館の担当者は「幻の湖の周りで多様な生物が生きていた当時の、豊かな自然に思いをはせてほしい」と話している。
午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)。祝日除く月曜休館。
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