はやぶさ2が地球に持ち帰ったリュウグウの試料=宇宙航空研究開発機構(JAXA)提供
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 小惑星リュウグウの母天体に存在した水に多量のナトリウムやマグネシウムが含まれていたことが、探査機はやぶさ2が持ち帰った試料からわかったと、海洋研究開発機構などの研究チームが5日発表した。これらが「にがり」のように働き、有機物や鉱物を安定化させる役割を果たしたと考えられるという。

 リュウグウの試料からは液体の水が見つかっており、母天体には水が豊富にあったと考えられている。チームは、リュウグウの試料から抽出したマグネシウムを含む鉱物を分析し、当時の水の組成を復元した。すると、ナトリウム約50%▽マグネシウム約26%▽カリウム約20%▽カルシウム約5%――など、無機物のイオンが豊富に含まれていたことがわかった。これらは母天体の岩石から溶け出したとみられ、「にがり」と似た成分をしており、有機物や鉱物と結びついて安定化させていたとみられるという。

リュウグウ試料が迫る太陽系や生命の起源
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 リュウグウの試料は太陽系で最も原始的な物質で、太陽系が生まれた46億年前の痕跡を残していると考えられている。チームの吉村寿紘・副主任研究員は「地球が誕生する前の太陽系で物質はどのように存在していたのか、また生命の材料や、地球や海水の化学的な進化を探る上で重要な発見」と話した。

 成果は5日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに掲載(https://www.nature.com/articles/s41467-024-50814-y)された。【中村好見】

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