茨城県大洗町にある「常陽」は、原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再び燃料に使う高速炉を開発するための小型の実験炉で、事業者の日本原子力研究開発機構は、原子炉の冷却や事故対策などの安全対策工事を行ったうえで2026年度半ばの再稼働を目指しています。

この安全対策工事について茨城県と大洗町は、「常陽」の安全性や必要性を確認したほか、周辺自治体からも異論がなかったことなどから6日、工事の開始を了解しました。

このうち、大洗町役場では國井豊町長が原子力機構の幹部に了解を示す文書を手渡しました。

また、県もすでに了解する考えを文書で伝えたということです。

県と大洗町によりますと、原子力機構と結んでいる協定では、今後、再稼働までに必要な地元自治体の了解などの手続きはないということで、事実上、再稼働を認めたことになります。

原子力機構は、国が実用化を目指す次世代原子炉の一つに位置づける高速炉の国内唯一の実験施設として研究開発を進めるほか、医療用の放射性物質の製造などにも活用していく方針です。

大洗町の町長 “工事の進捗状況 情報開示を”

工事開始の了解を示す文書を手渡したあと、大洗町の國井豊町長は、記者団に対して「事業者には安全・安心を構築するため、責任感を持って日々の事業に取り組んでもらうとともに、工事の進捗状況についても情報を開示してほしい」と話していました。

「常陽」がある日本原子力研究開発機構 大洗研究所の吉武庸光所長は「再稼働に向けてしっかりと工事を進めていくことに注力する」と話していました。

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